何でも同じですが、優れた先人の模倣から入るのが常道です。 

 篆刻も書道の臨書と同様に模刻をします。戦国の古璽や漢印、明清代の名人の刻印をそっくり再現することで、上達を目指しましょう。勿論、何事も最初から上手くはいきません。あせらず、おごらず、じっくりと腰を落ち着けて取り組んでいきましょう。次第に印刀も手になじみ、思うような線が彫れるようになっていきます。

古来より次の技法を「篆刻三法」と言って、篆刻習得の要点とされています。

 

字法

 篆刻は篆書という古い書体を使うので、文字に関する知識が必要となります。字書を使って篆書形を調べますが、かけ離れた時代や地域のものを混用することは避けるべきです。また字書に載っていない文字があります。先例や教えに倣いましょう。

 また、字形に対する感覚も大切になってきます。そのためには篆書を中心に臨書することが大切になってきます。これによって字形に対する感覚が磨かれるだけではなく、篆刻作品に筆意が加わり、躍動感が生まれます。

章法

 同じ印文であっても白文か朱文か、どの時代の篆書を使うかで構成は変わってきます。見栄えのする作品とするためにどのような構成にするか、古典や諸氏の作品を参考に考えます。文字同士が相呼応して全体が一つの有機体となるように構成する、これを「章法」と言います。

 章法を会得するためにも、刀法の練習としても古典の模刻をすることが大切です。ところが臨書の解説書はあっても模刻の解説書は見かけません。そこでオリジナルの模刻シートを作りました。まずは直線を彫ることから、順を追って複雑なものに挑戦していきます。それぞれの段階で古典の模刻を生かした名人の創作例も取り上げながら学んでいきます。夢中になるうちに自然と刀法や章法が身につくように工夫しました。

刀法

 昔から「刀法は伝え難し」と言われ、言葉で説明するのはなかなか難しいものです。料理の包丁さばきと同じで、いきなりベテランと同じようにはいきませんが、何より作品として表現する「線」を決定する技法です。基本的な技法を理解したら、経験を積んで習得に努めましょう。一作ごとに印刀が手になじんで、次第に思うような線が彫れるようになります。

 

 オリジナルの模刻シート

 ・直線的で取り組みやすいものから、曲線が含まれたり複雑なものへと、段階を追って篆刻に必要な技法が習得できるように成しまし

  た。

 ・模刻した古典を生かした名人の創作例も取り上げて、今取り組んでいるものが創作にどう繋がっていくかが見えるように工夫しました。

 ・模刻する古典について詳細な解説も加え、技法とともに関連する知識も同時に学べるようにしました。

 ・カード式で、一つ終わるごとにファイルに加えていくことで、学習の過程をいつでも振り返るようにしました。

 

初学者の方は、このカードを使って学んでいきます。カードが増えるごとに上達します。多くの方に取り組んでいただければという願いを込めて作りました。